「サポート詐欺」の手法を知るべき理由 モバプリの知っ得[163]


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17日、「サポート詐欺」の手口で現金をだまし取ったとして、警視庁は男女3人を逮捕しました。サポート詐欺とは、偽のウィルス感染メッセージをパソコンなどに表示させ、サポート代金をだまし取る手口のことです。サポート詐欺の容疑者が逮捕されるのは初めてとのことです。

パソコンに限らず、スマホでも同様の被害が増えています。被害者の多くは60代以上で、ITに不慣れな人を狙います。手口も巧妙で、大手企業のロゴを不正に利用して信じ込ませたり、「5分以内に電話をしてください」と表示させ、被害者に考えさせたり他の人に相談させるような時間を奪う手口を取っています。予期せぬタイミングで表記が出てしまうので、焦ってしまう気持ちも分かります。

こうしたニュースを聞いても、普段からIT機器に慣れている皆さんは「高齢者でない自分には関係ない」「自分は引っかからない」と感じるかもしれません。しかし、似た手口で若者もターゲットになる詐欺は多く存在します。その一つが「プレゼント詐欺」※1です。
 

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

これはスマホの画面上に「おめでとうございます!最新スマホに当選しました!3分以内にこちらから手続きをしてください!」などの嘘の表示をさせ、サポート詐欺とは別の手法で「損したくない」という気持ちに漬け込んで、個人情報を抜き取る手法です。先ほどのサポート詐欺と同じく、有名企業のロゴを使ったり、時間制限をもうけて、私たちをあざむきます。

こうした詐欺の手口は内容が広く知られると引っかかる人も減っていくため、内容をこまめに変えてどんどん登場します。詐欺師側のアップデートが早いということです。私たちにできることは、ニュースをチェックしその手口をあらかじめ知っておくことです。感染症にワクチンが効くように、詐欺事件の手口をあらかじめ知っておいてワクチンのように対応策を頭で備えておくのです。

※1 プレゼント詐欺 … 「当選詐欺」と呼ぶこともあります。2018年に流行しましたが、みんなが忘れた時にまた流行るかもしれません。2018年の記事はコチラ。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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