ゲームの「チートデータ」で逮捕 モバプリの知っ得[164]


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スマートフォンの人気ゲーム「にゃんこ大戦争」の改造データを売買した男女19人が、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いなどで書類送検されました。本来は「課金」して強くなるはずが、改造データを駆使して強くなっていたということです。中にはデータの改造をウェブサイトで請け負い、千円、2千円ほどの金額で依頼された「売買」の実態もあったようです。ゲームにおける不正は「チート行為」と呼ばれ、運営側や同じゲームのプレーヤーからはすごく嫌がられる行為ですが、こうした行為は身近で横行しているのが現状です。

チート行為を行うと、今回のように書類送検されたり、場合によっては著作権侵害などで裁判で訴えられることもあります。「大丈夫なチート、大丈夫ではないチート」の判断はなかなかできないでしょうから、チート・不正・改造行為には手を染めないことが大事ですね。特にゲームを楽しむ子どもたちは最低限このルールは知っておいたほうがいいと思います。

今回はデータの改造による事件でしたが、人気ゲームになると「アカウント」もSNSなどで売買取引が行われている実態があります。しかし、多くのゲームはアカウントの売買・譲渡などを利用規約で禁止しています。つまり、アカウントの売買でトラブルが発生しても、ゲーム運営側に相談することもできず、泣き寝入りになる可能性が高いということです。また、「ゲームデータを最強にするのでログインのID・パスワードを教えてください」などと言われ、信用して情報を教えたらそのまま乗っ取られてしまうというトラブルも度々発生しています。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

同じゲーム内の不正行為で言うと、2020年12月には人気ゲーム「フォートナイト」の他人のアカウントに不正アクセスして購入したとして、大学生の男が逮捕される事件もありました。この事件は単純に強くなりたい「チート行為」ではなく、お金目的の犯罪行為で逮捕された事件ですが、ゲームを通じて不正行為を働いて逮捕される可能性があります。子どもたちはゲームデータの取り扱いには注意し、保護者も子どもたちに大して、このような事例があったことを伝えていた方がいいかもしれません。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1240970.html
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アスリートが運動能力を高めるために禁止された薬物を使うことを「ドーピング」と呼びますが、チート行為はゲームにおけるドーピングのようなものです。対戦ゲームでは、チート行為をはたらく「チーター」がいると、ゲームバランスが崩れ面白さがなくなります。ゲームを楽しんでいると「もっと強くなりたい」「最強のデッキに憧れる」という気持ちが出てくるのは理解できます。しかし、不正行為を働くと、トラブルに巻き込まれるだけでなく、警察に捕まったり、裁判で訴えられるリスクがあることを覚えておきましょう。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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