大幅増加のサイバー犯罪 モバプリの知っ得[216]


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沖縄県警は先月26日、2022年のサイバー犯罪の内訳を発表し、詐欺の大幅増加によって摘発件数が過去最多の308件になったことを明らかにしました。2022年、沖縄県警に寄せられたサイバー犯罪の相談は2277件、摘発は308件。「意外と少ない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、被害にあっても警察に相談できない「暗数」を含めると被害の数はもっと増えるでしょう。また、最近では手軽にお金を稼げる「闇バイト」としてサイバー犯罪の加害者となる事例も報告されています。被害者にならないだけでなく、加害者にもならないが大事なポイントですね

また、沖縄県内のサイバー犯罪は全国と比較して未成年者が被害にあう犯罪の割合が高いことが特徴です。SNSで仲良くなった人から誘い出され、性暴力を受けるなどの犯罪が多いのです。こうした犯罪の場合、一度子どもを信頼させて誘い出す「グルーミング」が使われることがあります。私は専門家として「ネットで知り合った人は危険なので絶対に会わないでおきましょう」と講演会などで伝えるようにしていますが、不安やストレスを抱えていたり、人から優しくされたいと強く願っている時に、ネットで知り合った人から優しくされたら、嬉しくなって信じてしまうと思います。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

詐欺もこのように人間の心に入り込むことがあります。「将来のお金不安だな」と思っている時に「儲かる方法教えますよ」と近づいてこられたら信じたくなりますよね。家や学校でスマホ・ネットのルールを決めたり、安全な使い方を学んだりすることはすごく大事です。しかし、それだけでサイバー犯罪は防ぎにくいため、様々な方法で「安心できる環境を作る」ことが大事だと実感しています。

~ 言葉の解説 ~

グルーミング … 過去にこの連載でも何度か紹介しています。詳しくはコチラからどうぞ

■ サイバー犯罪308件最多 22年沖縄県警摘発、詐欺大幅増218件 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1668924.html

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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