先日国頭村に行った時に、「やんばる森のおもちゃ美術館」と書いてある看板を見かけました。ネットで調べてみると沖縄の木でできたおもちゃなどを体験できる施設のようです。興味があるので、せひ調べてください。
(宜野湾市 トイストイ)
調査員も存在は知っていて、気になっていました。ドライブ日和の週末、現場に出発です。
国頭村森林公園内にある「やんばる森のおもちゃ美術館」に到着すると、館長代理の貝阿弥ひとみさんとチーフディレクターの我那覇美貴子さんが出迎えてくれました。館内に足を踏み入れるとほのかに木の香りがして、温かみのある空間が広がります。
県産材でできた多彩な玩具
2013年11月にオープンしたという同館は、元々あった「交流促進センター」の建物を改修して造られたといいます。東京都四谷にある「東京おもちゃ美術館」の11館ある姉妹館の一つで、全国で2番目にできたそう。「世界自然遺産の中にあるおもちゃ美術館は他にはありません。森の中なので、機械音がない所です」と貝阿弥さん。我那覇さんも「風の音も鳥の声も聞こえます」と続けます。まさに森のおもちゃ美術館です!
「使っている木は床材を含めてほとんどがやんばるの県産材です。ちなみに床材はイタジイでできています」と我那覇さん。沖縄の特徴を生かした造りになっているのですね。
美術館にあるおもちゃは100種類以上あり、地元の作家にも多数作ってもらったそうです。どんなおもちゃがあるのか見ていきましょう。
遊びながら木の魅力を体感
まずは2つのトンネル型のオブジェとベンチ。こちらは1本の「蔡温松」から作られているといいます。蔡温松は琉球王国の政治家で林業の父といわれる蔡温が植えたとされる樹齢300年のリュウキュウマツ。「本来は伐採してはいけない木ですが、2012年の大型台風で倒れたので作ることができたんです」と貝阿弥さんは説明してくれました。
一番人気を聞くと「ヤンバルクイナのたまごプール」と2人とも即答。国頭村産のリュウキュウマツで作ったヤンバルクイナの卵がプールいっぱいに5000個も入っています。大宜味村在住の木工作家、金城修さんが一つ一つ丁寧に作ったといいます。子どもたちは寝転がったり、泳ぐように体をスライドさせたりと、いろいろな遊び方をしています。
館内中央の壁面にあるのは六角形の積み木。積み木の中に磁石が入っていて壁の上で動かして形遊びができます。リュウキュウマツ、クスノキ、オキナワウラジロガシなど6種類の県産木でできた積み木は、色や感触の違いを比べながら楽しめます。
沖縄の伝統的な草玩具があるのも美術館の特徴。地元の講師による草編み作りのワークショップも月2回開催しています。アダンの葉で作るアダンボール、金魚、マーニの葉草ソリなどを作ることができます。
「0歳から100歳まで遊べますよ」と貝阿弥さん。こまなどの昔ながらの玩具もあるので懐かしむ人も多いそう。
木と触れ合うことで心を育てる「木育」の目的もあるという美術館。自分たちで想像力を働かせて楽しむ子どもたちの姿が印象的でした。木に実際に触って魅力を体感できる美術館は、五感を刺激してくれる場所でした。
ゴールデンウイーク期間中は利用時間(90分)と人数制限を予定。整理券配布時間は10 時~(なくなり次第終了)
やんばる森のおもちゃ美術館
国頭村辺土名1094-1
TEL 0980-50-1022
開館時間:10時~16時
定休日:木曜
入館料:中学生以上600円、1歳~小学生400円、1歳未満無料、国頭村民割引あり
(2023年5月4日 週刊レキオ掲載)