沖縄から次世代のITビジネスリーダーを発掘し、育成するプロジェクト。それが「Ryukyufrogs(リュウキュウ・フロッグス)」です。2007年に「IT frogs」としてスタートし、2016年度は8期生9人が英語やプレゼン研修、米国シリコンバレー派遣などに挑み、新しいサービスを生み出そうと準備を進めています。12月11日の報告会「Leap Day」に向け、大海を泳ぎ始めた9人のカエル(frog)たちをご紹介します。第1回目は嘉数涼夏さん(沖縄国際大学2年)です。
やるか、やらないか、人生はその2つ
―「Ryukyu frogs」に参加しようと思ったきっかけを教えてください
嘉数 募集のポスターにある「やるか、やらないか、人生はシンプルにその2つ」という言葉に、ドキッとしました。私は今までの人生の中で「やる」という選択肢を何回選んだだろうか―。そう考えた時に「やらない」という選択肢を選んでいる方が多い気がして・・・。このチャンスを逃したら、絶対に後悔するという感情が自分の中にどんどんこみ上げてきて、すぐさま応募しました。
―研修を通して、最も印象に残ったことは何ですか?
嘉数 シリコンバレー研修で、次世代型の電動車いす(パーソナルモビリティ)の生産・販売を行う企業「WHILL(ウィル)」の杉江理さんにお会いしたことです。杉江さんはものすごく無駄が嫌いな方で、家から仕事場までの道を覚えることも無駄と考えている方です。無駄を省いた分、全てをWHILLに注いでいました。
そんな杉江さんの「障がい者、健常者の区別をしないモビリティにしたい」という話が印象に残っています。私は、障がい児向けのサービスを考えていて、フォーカスする相手が障がい児だけだったんです。でも杉江さんは障がい者の方だけが使うものではなく、健常者でも使いたくなるものにこだわっていました。
「マイナスをプラスにする。それが世界を変えることにつながる」とおっしゃっていたことが私の中でとても心に残っています。
“いい子でいること”は失礼!
―シリコンバレー研修を終え、自分の変化をどう感じていますか?
嘉数 シリコンバレー研修で力がついてきたと思うことは、発言力です。今までの私は「いい子」でいようとして正解を求めた発言をしていました。しかし、シリコンバレー研修でさまざまな方のお話を聞いていく中で、これほど熱く私たちにアドバイスしてくれているのに、単なる「いい子」でいようとする意識はとても失礼なことだと思いました。
私が本当に聞きたいこと、言いたいことを発言することがその熱意に対しての感謝であり、私の成長に大きく役立つことに気が付きました。しかし、シリコンバレーでは自分自身が変化をするきっかけを教えてもらっただけで、これからの行動が本当の自分の変化だと私は思っています。
Leap Dayでその結果が出ると思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください!
障がいのイメージを変えたい
―今開発中のサービスは、社会にどんなイノベーションを起こしますか? そしてそのサービスに対する思いを教えてください。
嘉数 私は、今開発中のサービスで「障がい」のイメージを変えていきたいです。
私のいとこには、ダウン症の男の子がいます。合併症を持って生まれたため心臓、目、腸など、小さい頃から大きな手術を経験してきました。そんな彼が大人になった時にどうなるのか叔母に聞いてみると「施設かなぁ」と言っていました。小さい頃から大きな手術を乗り越えてきた彼の選択肢に「施設」しか残っていないことがとても悲しく思いました。
彼が大人になったとき、人生の選択の幅を広げるためには、、今からできることを少しでも多くしていく必要があると感じました。そのために私のサービスで彼の自立を手助けしていけたらと思っています。
障がい者は施設で暮らすという選択肢しかないというイメージをなくします!
★第2回は、10月14日公開予定です
【プロフィル】
嘉数涼夏(かかず・すづか) 沖縄国際大学2年。趣味は愛犬と遊ぶこと。シリコンバレー帰国後からプログラミングの勉強中。