沖縄から次世代のITビジネスリーダーを発掘し、育成するプロジェクト。それが「Ryukyufrogs(リュウキュウ・フロッグス)」です。2007年に「IT frogs」としてスタートし、2016年度は8期生9人が英語やプレゼン研修、米国シリコンバレー派遣などに挑み、新しいサービスを生み出そうと準備を進めています。12月11日の報告会「Leap Day」に向け、大海を泳ぎ始めた9人のカエル(frog)たちをご紹介します。第3回目は畑中ひらりさん(琉球大学3年)です。
ITで世界を広げる
―「Ryukyu frogs」に参加しようと思ったきっかけを教えてください
畑中 昨年、アメリカ留学をした際に、ITイベントを開催している「Seattle IT Japanese Professionals(通称SIJP)」という団体に所属したのがきっかけです。私はその団体で、シアトルにいる日本人留学生に向けて将来のキャリアの選択肢にITを入れてもらうために、講演会やワークショップを企画し、運営していました。その活動をするうちに、ITはエンジニアのためのものではなく、いろいろなものと掛け合わせることで世界を広げることができると感じました。
日本に帰国し、Ryukyufrogsのチラシを見つけ、『○○×IT』で新たなサービスを生み出しませんか!? という言葉が目に留まり、「私がやりたいことはこれだ!」と思いました。しかし、私はビジネス専攻でもIT専攻でもないので、応募しようかどうか迷ったのですが、うじうじしていても何も変わらないと考え、思い切って応募しました。
―研修を通して、最も印象に残ったことは何ですか?
畑中 最も印象に残ったことは、シリコンバレーのインキュべーション施設「Plug and Play Tech Center」で突撃インタビューをしたことです。ランチタイムにそこで働いている方々に「私の考えているサービスをどう思いますか?」とインタビューするという、私にとっては過酷なものでした。
初めは自分に自信がなく、自分のサービスを否定されたらどうしよう・・・と弱気だったのですが、思い切って話しかけてみると、私の話をしっかり聞いて、具体的なアドバイスを与えてくれ、自分のサービスや考えに自信を持つことができました。
誰一人として否定的なことをいう人がいなかったことにも驚きました。否定しないだけでなく、肯定し、そのアイディアを発展させていくという文化に実際に触れ、これがたくさんの革新的なサービスが日々生まれているシリコンバレーの文化なのかと衝撃を受けました。
価値観を広げ、突っ走る!
―シリコンバレー研修を終え、自分の変化をどう感じていますか?
畑中 自身の一番の変化は、自分の今一番やりたいことに素直に突っ走っていこうと考えるようになったこと、やると決めたことはやり通すということです。
Ryukyufrogsに参加して以来、考えを大きく、自由にしてきたつもりでしたが、周りのことを気にして固定観念に縛られていた自分がいました。
しかし、女性のスタートアップを支援する「Women’s Startup Lab」 CEOの堀江愛利さんから「型にはまる必要はなく、今はとにかく価値観を広げ、自分を責めず、20代のうちは突っ走ること」というお話を聞いて、もっと自由になろうと思いました。
シリコンバレー研修後はプログラミングの勉強を始めました。独学なので分からないこともたくさんあるのですが、コツコツやっていこうと思います。
日本の教育を変えたい
―今開発中のサービスは、社会にどんなイノベーションを起こしますか? そしてそのサービスに対する思いを教えてください。
畑中 私は教育に関するサービスを考えています。私は日本の教育を変えたいと思っています。
私の描く理想像は子ども一人一人が自発的に、そして積極的に自分の将来を選択し、日本だけにとどまらず、世界を視野に入れた選択ができるような状態にすることです。
私のサービスが学ぶきっかけとなり、その子どもの将来の選択肢を増やし、世界を広げることで、社会をもっと活性化させ、発展させることができるようなものを目指しています。
まだまだ今考えているサービスも行き詰まることが多く、未完成ですが、諦めず、実現に向けて一歩一歩進んでいこうと思います。
★第4回は、10月28日公開予定です
【プロフィル】
畑中ひらり(はたなか・ひらり)
大学では海洋生物を専攻しています。
英会話をすること、プログラミングに興味があります。
大学生活では外に出て視野を広げることを大切にしており、大学の海外職場体験に参加してバリ島に行ったり、アメリカのシアトルに留学したりしています。
大学の外では塾講師のアルバイトをして、中学生に数学を教えています