辺野古周辺の住民が国を提訴 新基地建設巡る設計変更、国交相裁決の取り消し求める 那覇地裁に


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
名護市辺野古の新基地建設を巡る新たな抗告訴訟を提起するため、裁判所へ向かう弁護団と住民ら=23日午前、那覇市樋川の那覇地裁前

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、国の工事の進め方の適法性を問おうと、辺野古周辺の住民ら20人が23日、国を相手とした新たな抗告訴訟を那覇地裁に起こした。防衛省沖縄防衛局が申請した設計変更を「不承認」とした県の処分を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、裁決の取り消しを求める。

 原告は辺野古・大浦湾周辺の住民ら。居住は名護市外だが、大浦湾でダイビングツアーを営む人も含まれる。住民が原告となって訴訟を起こすことで、基地が完成した場合の生活への影響なども踏まえ、実体審理を迫る。

 新基地を完成させるためには、設計変更申請に対する県の承認が必要。県は昨年11月、軟弱地盤の調査が不十分であることなどを挙げ、不承認としたが、国交相はことし4月、県の不承認を取り消す裁決を出した。

 国交相裁決について、県は「違法な国の関与に当たり、無効だ」などとして、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出た。係争委は審査対象となる「国の関与」に該当しないとし、県の申し出を却下。県は今月12日、係争委の結論を不服とし、裁決の取り消しを求めて福岡高裁那覇支部に提訴した。