旭橋再開発、北工区で起工式 玄関口のバス新拠点へ


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 那覇市のモノレール旭橋駅周辺地区再開発事業でバスターミナル街区に当たる北工区1・8ヘクタールの起工式が23日、関係者約150人が出席して那覇バスターミナル跡地で行われた。バスターミナル機能の再整備をはじめ県立図書館や商業施設が集積した地下1階、地上11階の複合施設で、交通結節や交流拠点形成を図る。総事業費は195億円、開業は2018年春を予定する。北工区の着工により、全5街区からなる旭橋再開発は最終段階を迎えた。

バスターミナルや県立図書館などが入るモノレール旭橋駅周辺地区北工区の完成予想図
旭橋駅周辺再開発事業の北工区起工式でくわ入れする(左から)国場幸一国場組社長、福治嗣夫旭橋都市再開発社長、中園正樹松田平田設計社長=23日、那覇市泉崎

 一方、取り壊しを進めてきた那覇バスターミナル跡地で見つかった戦前の県営鉄道(軽便鉄道)那覇駅の遺構について、事業主の旭橋都市再開発は工事と並行して保全の方法などを那覇市と調整するとし、「完成時期に影響が出ないようにしたい」と説明した。
 旭橋地域の再開発構想は2000年に県内産業界の中から持ち上がり、那覇空港に降り立った観光客が県都那覇の中心部に入る最初の玄関口として、老朽化した那覇バスターミナルの跡利用など検討が進んだ。03年に都市計画が決定し、事業主体となる旭橋都市再開発が設立。南部合同庁舎や自治会館、ホテルなどが集積する南工区(2・7ヘクタール)の計4街区は既に整備が完了し、南、北両工区の4・5ヘクタール、総事業費437億円は全国でもトップクラスの市街地再開発となる。
 起工式で旭橋都市再開発の福治嗣夫社長は「モノレール開業に合わせ、バスターミナル再整備による交通結節の充実など検討が進められてきた。会社設立から12年、当初は夢だった構想を着実に実現してきた。3年後には最高水準のビルを引き渡す」と述べた。
 北工区に建設する複合施設の延べ床面積は約6万5100平方メートル。地下はバス駐機場、1階はバスターミナルとして乗降場や待合室などを整備する。2~3階は商業施設と県の観光支援窓口、4~6階に県立図書館と就労支援施設・グッジョブセンターを設置する。7~11階は企業事務所として入居テナントを募る。
 設計監理を松田平田設計・アール・アイ・エー・国建共同企業体、施工を国場組・大晋建設・丸元建設・仲本工業共同企業体が担う。起工式で福治社長、国場幸一国場組社長、中園正樹松田平田設計社長が工事の安全を祈願してくわ入れを行った。