50人鉄柵にまた拘束 辺野古ゲート前、弁護士「警察権の乱用」


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
機動隊によって一時拘束された市民ら=6日午前7時10分、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】名護市辺野古への新基地建設に反対する市民らが6日、米軍キャンプ・シュワブゲート前で行った抗議行動に対し、機動隊が機動隊車両と鉄柵で囲った場所に一時拘束する場面があった。警官が市民を拘束する行為について専門家は「不当な身体拘束だ」と指摘した。

 ゲート前では午前6時半ごろから約100人の市民らが基地内に工事車両の進入を防ごうと抗議行動した。県警と警視庁の機動隊合わせて約120人が市民を排除。機動隊はゲート前に座り込む市民らを抱え、機動隊車両とフェンスの間の歩道に強制的に移動させた。約50人程度の市民らを機動隊員と鉄柵でふさぎ、車両が基地内に入るまでの約15分間拘束状態にした。
 機動隊に一時拘束された長堂登志子さん(65)=那覇市=は「歩道を歩く自由を奪っている」と指摘、「まるで犯人扱いだ」と憤った。鉄柵で囲い込まれた中には取材中の本紙記者も含まれていたが、会社の腕章を示して記者であることを説明すると、鉄柵の外に出された。
 県警警備2課は「安全に最大限配慮して移動させるなどの措置を行っている。法令に抵触する行為が繰り返される状態が認められるので、その場合は関係法令に基づき適切に対処している」とした。池宮城紀夫弁護士は「座り込みの市民排除は警察権で是認されているが、移動先で物理的に閉じ込めるのは不当な身体拘束だ。警察権を逸脱する職権乱用だ」と指摘した。
 一方、4日に公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された64歳の男性は6日午後、那覇地検の勾留請求を那覇簡裁が却下したため、処分保留で釈放された。