最大規模500人抗議 シュワブ前、機動隊を押し返す


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ゲート前で座り込み、腕を組んで機動隊の排除に耐える市民ら=11日午前7時ごろ、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の代替となる新基地建設計画で11日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前には集会を除くと過去最大規模となる約500人が集まり、抗議行動を展開した。シュワブ旧ゲート前の座り込み行動では、機動隊による排除を初めて押し返す場面もあり、基地内に入ろうとする工事関係車両が立ち往生した。一方、シュワブ前の国道329号では大渋滞が発生した。

 11日は警視庁機動隊の投入や海上作業再開への抗議を目的に、毎回参加者が増える水曜日の議員早朝行動日に合わせて各団体が多くの参加を呼び掛けていた。
 市民らはこの日、旧ゲート前を中心に座り込みを実施。午前7時に県警と警視庁の機動隊員らが市民を排除する「ごぼう抜き」を始めた。力ずくで市民を持ち上げる隊員に対し、市民らが一斉に指さし「暴力やめろ」と声を上げた。
 ビデオを回す県警の「採証班」に対抗し、市民らも一部始終を動画に撮影。工事車両の通路が一度開きかけたが、市民らが機動隊の人垣を押し返し、再び旧ゲート入り口をふさぐ形で座り込み気勢を上げた。
 旧ゲート北側の国道では工事関係車両の前に市民らが座り込んだり、寝転んだりした。機動隊は路上の市民を排除して旧ゲートに隊員を集め、午前8時20分ごろ車両を基地内に通過させた。抗議中に女性2人が頭や腰の痛みを訴え病院に搬送されたが、大事には至っていない。
 機動隊を市民が押し返したことについて現場でマイクを握る沖縄平和運動センターの山城博治議長は「座り込みを始めて以来初めてだ。県民が結集すればゲートは開かずの間になる。暴力ではなく、座り込みの闘いを徹底しよう」と述べ、座り込み500日目となる18日に向けてさらなる行動を呼び掛けた。
 抗議行動で国道329号は約1時間半にわたり渋滞が発生。運転手から「足止めされ迷惑だ」といった声があったほか、車から市民に文句を言う男性もいた。沖縄バスによるとシュワブ前を通る那覇向け2路線に最長25分の遅れが生じた。名護市には付近の学校で児童生徒や教員が遅刻したとの苦情があったという。