車いす、片「手であが~る」 ライフジグが補助機を開発


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 【石垣】福祉業のファーストハンドコミュニケーション(石垣市、矢崎真一社長)が運営する義肢装具工房ライフジグは車いすの片方の車輪を片手で簡単に持ち上げる道具を開発した。製品は日本リハビリテーション工学協会の「福祉機器コンテスト2015」で県内初の最優秀賞に選ばれ、開発者は「励みになる」と商品化を目指して研究に取り組んでいる。

 開発した製品「手であが~る」は車いすの車輪をジャッキのように上げるL字形のてこ。車いすの利用者が屋外から屋内に入る際、車輪の汚れを拭き取るために使用する。支点に小さな車輪を取り付けることで、力を加えずより円滑に車いすの片方の車輪を持ち上げることを可能にした。
 企画開発の落合明彦さん(57)と友利準さん(44)は1人が車いすを持ち上げ別の1人が拭き取り作業をするなど介護者の負担を目の当たりにして、ことし2月から開発を進めてきた。数回試作品を作り福祉機器コンテストの機器開発部品に応募し、10月に最優秀賞の表彰を受けた。
 16日に中山義隆市長への報告に訪れた落合さんらは「利用者のために開発した。石垣島にも新しいものづくりをする人たちがいることをアピールできて良かった。まだ研究中だが商品化につなげたい」と意気込みを語った。

開発した製品で車いすの車輪を持ち上げる落合明彦さん=16日、石垣市役所
車いすの車輪を持ち上げる製品「手であが~る」