県、9人を証人申請 国主張に多角的反論へ


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画に関する埋め立て承認の取り消しをめぐり、12月2日に始まる県と政府の代執行訴訟で、県は27日、証人として翁長雄志知事に加え、稲嶺進名護市長、伊波洋一元宜野湾市長、環境や安全保障、騒音研究などの専門家ら計9人を福岡高裁那覇支部に申請した。裁判所が認めれば、各氏が証人として出廷する。

 県が申請した証人は翁長、稲嶺、伊波の3氏のほかに粕谷俊雄元帝京科学大教授(海洋生物学)、我部政明琉球大教授(国際政治学)、土屋誠琉球大名誉教授(生態系機能学)、渡嘉敷健琉球大准教授(環境・音響工学)、宮城邦治沖縄国際大名誉教授(県環境影響評価審査会会長)、屋良朝博・元沖縄タイムス論説委員。
 県側は行政的な当事者である知事や市長に加え、環境や安全保障の専門家ら幅広い分野から証人を集めた。
 県民の多数や地元名護市が反対する民意や地方自治、米軍基地の過重負担、在沖海兵隊の抑止力論や沖縄の地理的優位論、住民生活や自然環境に対する影響などの観点から、政府の訴状に多角的に反論し、埋め立て承認取り消しの正当性を訴える狙いがある。