高教組、カンパで就学支援25年 経済苦生徒に計1億超


この記事を書いた人 田盛 良一

 経済的に厳しい生徒を支援するため、高教組(福元勇司委員長)が毎年教職員から任意のカンパ金を募り、「就学奨励金」として生徒に給付する取り組みがことしで25年を迎える。奨励金が始まった1991年度から2014年度までで奨励金の総額は1億565万円に上り、毎年200人前後の生徒が支援を受けてきた。沖縄の教職員たちの地道で息の長い取り組みが、生徒の就学を支えている。

 就学奨励金は91年度、経済的な事情で校納金などの納入が厳しい状況にある生徒を全教職員で直接励まそうと始まった。
 原資の大半は主任を担う教諭の「主任手当」を基にしたカンパ金で、高教組は各分会を通して組合に加入していない教職員へも寄付を募っている。集まった金額は申し込みのある分会へ6~8万円を再分配し、各分会があらかじめ推薦した生徒に給付している。14年度は、総額663万円が奨励金や学校の組踊公演活動の運営費に充てられた。残金は翌年に繰り越している。
 受け取った生徒や保護者からは「進学の費用の一部に使いたい」「資格取得の一部に使えた。とてもありがたい」などの声が高教組に多く寄せられた。福元委員長は「組合に加入していない教職員からも多くのカンパがあり、ありがたい。生徒1人に届く額は少ないが、教職員の志を届ける取り組みを、続けていきたい」と話した。(新垣梨沙)