【東京】米軍普天間飛行場所属の米海兵隊垂直離着陸輸送機オスプレイが、移設先の名護市辺野古周辺を含めて市全域を飛行経路としている実態のあることが12日の衆院予算委員会で取り上げられた。辺野古の国立沖縄工業高等専門学校周辺のヘリ着陸帯(ヘリパッド)を離着陸する形も含めて、飛行は東海岸から西海岸にまで及んでいる。
赤嶺政賢氏(共産)が、名護市が2013年4月1日現在の状況をまとめたオスプレイの飛行経路図を示し「上空を縦横無尽に飛び回っている」などと指摘し、新基地建設後の騒音問題について政府の見解をただした。
これに対して政府側は辺野古新基地の建設によって、防音工事の助成世帯はなくなるとの見解をあらためて示した。
中谷元・防衛相は「(新基地での航空機飛行は)一般の住宅地の上を通ることはなく騒音被害は出ない。訓練場の移動は地域住民に影響、迷惑が掛からないように要請したい」などと述べた。
質疑で赤嶺氏は、名護市が作成したオスプレイの飛行経路図を使用し、ヘリパッドの使用などで旋回飛行していることを指摘。「普天間のオスプレイが辺野古に移ったときに訓練などはどうなるのか」と政府見解をただした。
赤嶺氏はキャンプ・シュワブ内の廃弾処理施設で、昨年2月10日午前3~5時までの間、周辺地域で100デシベルを超える騒音があったことについても政府側の認識をただした。
中谷防衛相は「騒音、振動が生活に影響を与えていることは認識しているが、影響軽減措置をしている。今後とも地元の影響を軽減するために密接に対策に取り組む」などと述べた。