翁長県政で初めてとなる沖縄県議選は、与党が議席を改選前の24から3議席増やし、引き続き過半数を確保した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する強固な民意が表れた結果とも言え、翁長雄志知事にとっては2014年12月の就任以降の県政運営に信任が得られたことで、今後の議会運営にも弾みを付けた。
現在の県議会で与党は辛うじて過半数を保っている状況で、県議選での多数維持は「最重要課題」(翁長知事)だった。だが、翁長県政を支持する与党系は各地で37人が出馬し、乱立傾向が懸念された。4月以降、県三役は応援に入り「過半数を割れば、辺野古の反対運動や通常の行政もできなくなるような大変厳しい議会構成になる」(安慶田光男副知事)と危機感を持ち臨んでいた。
告示後は翁長知事も連日街頭に立ち、辺野古移設に反対する「オール沖縄」の浸透を図った。米軍属女性遺棄事件に対する反発が広がる中、米軍基地の存在そのものを問う候補者の主張も広く受け入れられた。
一方で、与党系候補者が競合する選挙区では所属政党を前面にした選挙戦も見受けられ「オール沖縄」としての連携や結束に課題も残った。また、「オール沖縄」の象徴だった那覇市議会の保守系会派・新風会の2候補者が落選したこともわだかまりを残しそうだ。
野党は自民14人と保守系無所属1人の15人。自民は1月の宜野湾市長選で勝利した勢いを背景に、沖縄市区や宜野湾市区などで公認2人を擁立したが議席を伸ばせず、宜野湾では逆に与党側に2議席獲得を許した。ほかの選挙区でも公認候補の落選が相次いだ。
普天間問題で、辺野古移設を含むあらゆる選択肢を追求する、との方針の自民県連に逆風となったことは間違いなく、態勢立て直しを迫られる結果となった。(当山幸都)
英文へ→Onaga’s ruling party gets big win in Okinawa prefectural assembly election