中世の帆船、那覇寄港 「マジャパヒト」東京へ


この記事を書いた人 新里 哲
那覇港に寄港した木造帆船「スピリット・オブ・マジャパヒト(マジャパヒトの魂)」=13日、那覇港

 13世紀末から15世紀末にかけてインドネシアのジャワ島を中心に栄え、琉球王国とも交易のあったマジャパヒト王国の船を復元した全長20メートル、幅4メートルの木造帆船「スピリット・オブ・マジャパヒト」が12日午後、那覇港に入港した。

 同船は帆に受ける風とエンジンが動力源。日本人海洋冒険家の山本良行さん(67)を含む9人の乗組員は、5月11日にジャカルタを出航し、ブルネイ、フィリピン、台湾などを経て到着した。最終目的地の東京を目指し、15日に再出航する。

 船長のムハンマド・アミン・アシシさん(70)は「とても良い気分だ」と寄港を喜んだ。乗員最年少のムハンマド・アッファン・アフィフさん(17)は「波が高くて大変だったが、誇りに思う」と語った。

 民間団体「マジャパヒト・アドミレーション・コミュニティー」とインドネシア政府が協力し、マジャパヒトの遺跡発掘支援の呼び掛けと、日本とインドネシアの友好の証しとして船を復元。2010年の試みでは、台風のためマニラで航海を断念した。

 船は、両脇にインドネシア語で「翼」と呼ばれる竹製の浮きが付いたアウトリガー船。山本さんは「インドネシア発祥で、世界中に広がった船だ。琉球王国とも深いつながりがあった」と話した。