米軍北部訓練場のヘリパッド建設の抗議現場で大阪府警の機動隊員が「土人」と発言したことに、安冨歩東京大東洋文化研究所教授が26日付本紙で「抗議する人々が金網を利用して挑発し、警察の本質を露呈させた」と指摘したことを受け、作家の目取真俊さんら抗議の現場に立つ市民から「挑発する余裕なんかない」「違和感がある」「机上の空論だ」などと指摘した。
「土人」発言を動画撮影した目取真さんは「こちらは触れただけで公務執行妨害になる。現場にいる人はリスクを背負って活動している。挑発なんかできるものじゃない。差別発言が挑発した側に問題があるような、矛先がこちらに向かうような議論になってしまう」と懸念した。
論評はツイッター上でも波紋を広げている。
安冨さんは「今回の記事の反応で驚いたことは、皆さん『挑発』という言葉が嫌いだということ。非暴力闘争とは、権力が嫌がる挑発を暴力的ではない手法でやること。非暴力的な挑発の目的は、権力による差別構造を露呈させることだ。『土人発言』で、警察や大臣は窮地に立たされている。基地を造らせないための一歩が踏み出された状況ではないか」と説明した。
現場で抗議活動をする宮城康博さんは「選挙で民意を示し、県民は手を尽くして闘っている。ゲーム論で解説しないでほしい」と話した。