沖縄かりゆしウエア、伊で販売 「パイカジ」が夏にも、先進地でアピール


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ヨセフ・モントレゾール氏(左から2人目)とジュネの吉田康秀社長(中央)=20日、那覇市内の店舗

 アロハシャツやかりゆしウエアを製造・販売するジュネ(沖縄県豊見城市、吉田康秀社長)の自社ブランド「PAIKAJI(パイカジ)」が、今夏にもイタリアで販売される。同国で開かれる世界最大級の服飾見本市「ピッティ・ウォモ」に4年前から出展し、バイヤーとして参加していたセレクトショップ社長の目にとまり、販売代理店として契約の申し出があった。現地店舗での販売のほか、ミラノにある同社のショールームに展示し、ファッション先進地での浸透を図っていく。

 北イタリアの交通の要所パドヴァを拠点にセレクトショップ「ストゥーディオ・ノヴァンタドゥエ」を経営するヨセフ・モントレゾール社長が、パイカジの店舗や製造工程を視察するため19日から沖縄を訪れている。モントレゾール氏は「日本と米国の文化が融合した面白いブランドで、シンプルながらも日本のエレガントさや繊細さが感じられる製品を欧州に伝えたい。新しいファッションを探しているイタリアでも絶対受ける」と語った。

 パイカジは1999年に沖縄県産アロハシャツのブランドとして製作を始めた。リゾートでまとう「非日常の体験」をテーマに、沖縄や世界各地の自然を取り込んだデザインを展開。那覇市牧志の国際通り沿いに専門店を構え、形や素材、シルエットにこだわった付加価値の高いブランドづくりを進めてきた。

 縫製は、沖縄に工場を進出している福島県の大手縫製会社「リオ・ビアンコ」と業務委託契約を結んでいる。リオ・ビアンコは国内大手ブランドのドレスシャツの縫製を手掛けた実績があり、吉田社長は「リゾートとしての沖縄の開放感とデザインを、メード・イン・ジャパンの技術が支えている」と語る。

 13年には、フィレンツェで年2回(1、6月)開催され、世界から1200ブランドが集まるメンズウエアの見本市「ピッティ・ウォモ」への出展が許可された。

 昨年6月の出展時にパイカジブランドを知ったモントレゾール氏は「米国文化のアロハはリラックスのための衣服だが、パイカジはジャケットやスーツにも合わせられ、ファッショナブルに着られる。私たちは新しさだけでなく、将来性や成長性のあるブランドを探している」と語った。

英文へ→Karisyushi shirts to be sold in Italy