「基地減らすべき」 大田海軍少将ひ孫サザーランドさん 祖母と慰霊祭参加


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「曽祖父を通じて悲惨な沖縄戦を知ることができた」と話す大田実少将のひ孫、ドゥーグル・サザーランドさん(右)と、四女の昭子さん=13日、豊見城市豊見城の旧海軍司令部

 【豊見城】旧海軍沖縄方面根拠地隊司令官の大田実少将が海軍壕で自決して72年目の13日、大田少将のひ孫のドゥーグル・サザーランドさん(23)=オーストラリア国籍=が豊見城市の海軍壕公園で開かれた慰霊祭に初めて参列した。慰霊塔に献花した後、大田少将が最期に打った電報「沖縄県民斯(か)く戦えり。県民に対し、後世特別のご高配を賜らんことを」が刻まれた碑文の前で「県民に思いを寄せた曽祖父を誇りに思う」と語った。その上で「戦後72年たっても沖縄は米軍基地があり、負担を強いられている。基地は減らしていくべきだ」と強調した。

 サザーランドさんは大田少将の四女、昭子さん(85)の孫で、オーストラリアのシドニー生まれ。オーストラリア国立大学に在籍し、現在、京都大学に留学中だ。

 「10歳のころ、祖母からひいおじいちゃんのことを聞いた。司令官として戦ったことや沖縄で亡くなったことを知り驚いた」と振り返るサザーランドさん。以来、沖縄戦と戦後の歴史について自分で調べるようになった。大学でも沖縄戦についてまとめたレポートなどを書いてきたという。

 毎年、慰霊祭に合わせて沖縄を訪れている昭子さんは、新基地建設が進む名護市辺野古にも足を運んでいる。昭子さんは「父が喜んでいるかどうかは分からないが、子や孫たちに沖縄戦のことや平和の大切さを伝えていきたい」と話す。

 サザーランドさんは「悲惨な沖縄戦で、たくさんの住民が亡くなった。それだけでなく、戦後も少女が乱暴されるなど事件事故が相次いでいる」と指摘。その上で「沖縄にいまだにたくさんの米軍基地があり、負担を強いられている現実に心が痛む。沖縄戦や沖縄の現実について多くの人に伝えていきたい」と語った。(松堂秀樹)

英文へ→“Bases should be reduced,” says Rear Admiral Minoru Ota’s great-grandson participating in memorial service with his grandmother