安倍首相と知事の会談 関係修復を演出、にじむ辺野古推進

 第2次安倍内閣発足後、初めて安倍晋三首相と会談した仲井真弘多知事は、2013年度沖縄振興関係予算の概算要求額3千億円規模の確保と那覇空港第2滑走路の早期建設を直接要請した。概算要求をめぐり、首相が一県知事の直訴を受けるのは極めて“異例の対応”だ。

懸案の米軍普天間飛行場返還・移設問題に関し、沖縄振興策をてこに知事らの理解を得て、県内移設の前進を図る政府側の思惑がにじむ。
 移設問題については、首相、知事の双方が一切触れなかったものの、政府側は手厚い振興策を講じる姿勢を示すことで、沖縄との関係修復に向けた取り組みを演出した格好だ。
 安倍首相は「辺野古に移設する方向で地元の理解を得るため努力したい」と日米合意実現を目指す考えを示している。首相の指示の下、岸田文雄外相、小野寺五典防衛相は基地負担軽減に加え、沖縄の経済振興を図る必要性を強調する。
 会談で安倍首相は第2滑走路建設に関し「努力したい」と取り組む意向を示した。農水省はサトウキビの交付金を現行より増額、「基準糖度帯」を3年前の自公政権下の水準まで戻した。
 一方、防衛省は名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)評価書の公告・縦覧手続きに入っており、知事に対する埋め立て申請の準備を進めている。
 仲井真知事は「どんな政権が生まれても主張を変えず、(県外移設)実現に向け努力する」と明言しており、又吉進知事公室長を米国に派遣し、米政府に県外移設を求める方針に変わりがないと伝える。
 県外や国外移設、無条件撤去という沖縄の民意とは逆に、辺野古移設を堅持し、振興策で理解を得ようとする安倍新政権との隔たりはなお大きい。(問山栄恵)