「沖縄戦継承を」94% 自己決定権拡大87% 世論調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 琉球新報社と沖縄テレビ放送(OTV)は戦後70年の「慰霊の日」を前に5月30、31の両日、電話による世論調査を実施した。調査結果によると、戦争体験の継承については「もっと戦争体験を語り継ぐべきだ」との回答が75・4%に達し、「現在の程度で語り継げばよい」の19・4%を大きく上回り、全体で94・8%が戦争体験を継承すべきだとの認識を示した。

一方、米軍普天間飛行場移設問題などさまざまな課題を抱える沖縄が、沖縄のことは自ら決める「自己決定権」については、87・8%が「広げていくべきだ」と回答した。
 「自己決定権を広げるべきだ」との回答が約9割に上った背景には、普天間飛行場の県内移設に県民の大多数が反対しているにもかかわらず、日米両政府が民意を無視して移設を推進していることに対する反発などがあるとみられる。
 戦後70年が経過した中で「政府はこれまで沖縄に対して外交や地域振興などの施策について配慮してきたか」との問いに対しては、「配慮が不十分」「どちらかと言えば配慮していない」を合わせて54・2%と過半数となった。一方、「十分配慮してきた」「どちらかと言えば配慮してきた」を合わせて41・4%だった。
 県内で在沖米軍基地が「必要」と答えたのは38・6%で、その半数が理由として「日本や周辺地域の安全を守るため」とした。
 一方で「必要ない」と回答したのは58・6%で、理由のトップは「沖縄の基地負担が重すぎるから」(43・0%)だった。
 将来の沖縄の方向性については「日本の中の一県のままでいい」が66・6%で最も多く、次いで「日本国内の特別自治州などにすべき」が21・0%だった。「独立すべき」は8・4%だった。
 憲法9条の改正については改正する必要があると回答したのが24・0%で、改憲で重視すべきものとしては「自衛隊が国際活動を拡大するにあたり歯止めの規定を設けるべき」が46・7%で最も多かった。
 「沖縄戦の体験を伝えていくためにはどのような取り組みが必要か」については「学校現場での取り組み」が41・2%、「戦争体験者による語り継ぎ」が31・4%、「行政による平和関連事業の充実」が22・8%だった。
英文へ→Opinion poll: 95% want experiences of the Battle of Okinawa handed down