県内の通訳案内士、半数が就業せず 収入、マッチングが課題


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 沖縄総合事務局は17日、県内の通訳案内士に関する調査結果を公表した。有資格者の半数が「就業していない」と答え、その理由に「一定収入が見込まれない」などの課題が挙げられた。事業者とのマッチングを求める声もある。観光関連事業者への調査でも、2014年に案内士を利用した企業は2割以下にとどまり、普及が進んでいない現状が浮き彫りとなった。

 調査に回答したのは県で登録している「通訳案内士」「地域限定通訳案内士」「沖縄特例通訳案内士」の計112人と、観光関連事業者46社。調査期間は6月4~22日。
 「就業していない」が最多だった就業状況では「兼業」が37・5%、「専業」が10・7%と続いた。就業している案内士についてはそのうちの32・7%が「1~9回」、15・4%が「10~19回」にとどまった。
 就業していない理由は「本業・副業が忙しい」が24・2%、「一定の収入が見込まれない」が15・2%、「育児など家庭の事業」が10・1%だった。
 年収については、事業者が支払う14年の平均報酬額は12年と比較して3・5倍の572万7千円となり、総合事務局は「外国人客の急増で今後報酬の増加が見込まれる」とした。
 ただ観光関連事業者への調査では、12年以降に案内士を「利用した」との回答は17・4%にとどまった。そのため案内士からは事業者紹介や技術向上に向けた勉強会の開催を求める声が挙がっている。
 総合事務局は「案内士と事業者、行政の情報共有の徹底」「スキルアップ研修の充実」などを今後の課題とした。

県内の通訳案内士の就業状況
就業しない理由(複数回答)