<金口木舌>聖夜の願い

 ジャズのグレン・ミラーについて先週の本欄で「独特のミラー・サウンド」と触れた。音楽に詳しい読者から「彼の演奏スタイルには呼び名があったはずだ」と指摘があった

▼クラリネットを導入したそのアンサンブルが「キラー・ディラー」と言われることを指している。英俗語で「魅力的なもの」の意味だそうだ。不朽の名曲を後世に残した演奏スタイルである
▼これも名曲に挙げて間違いあるまい。米歌手マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」だ。発表から25年を経て全米シングルチャート1位になった。当時はランキング対象にならないアルバム収録曲だった
▼発売は1994年。この年、本紙などが「あなたが選ぶ沖縄の歌」を募った。海外分を含め4万の応募で約500曲が挙がった。「えんどうの花」「汗水節」「芭蕉布」「ナークニー」「とぅばらーま」など120曲が選定された
▼当時の世情はというと、村山内閣が発足したのがこの年。沖縄では大田県政の下、平和の礎建立事業が進められた。米軍のF15が沖縄市内の黙認耕作地に墜落。当時の防衛施設庁長官が「県民は基地と共生、共存を」と求め、問題化した
▼あれから四半世紀。この島の状況はどれだけ変わったか。沖縄の歌選定の1曲、「島唄」でTHE BOOMが歌った「永遠(とわ)に夕凪(ゆうなぎ)を」の願いがより重みを増す25年後の聖夜である。



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