<金口木舌>今日のサザエさんは楽しく見られるだろうか


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「♪お魚くわえたドラ猫追っかけて♪」。日曜の夕方、お茶の間を楽しませてくれる「サザエさん」。毎週楽しみにしている人が多いだろう

▼一方で、サザエさんの放送時間帯に、翌日から仕事や学校が始まることを考え、気分が落ち込む人もいる。「ブルーマンデー症候群」または「サザエさん症候群」と呼ばれる。最大9連休となった年末年始休の後はなおさらだ
▼官公庁や多くの企業は明日が仕事始め。働き方改革の一環として、年末の仕事納め式や年頭の仕事始め式を見直す動きが官公庁で広がっている。福井県は仕事始め式を今年から廃止する。庁内テレビで知事の年頭あいさつを放映して簡素化する
▼仕事納め式を実施していない兵庫県伊丹市は仕事始め式も今年から取りやめる。管理職を中心に約100人が出席し市長が訓示していた。例年15分程度の式典の準備と片付けに半日以上かかっていたという
▼2019年4月に施行された働き方改革関連法は、中小企業でも今年から順次適用される。4月から残業時間の上限を原則月45時間とする罰則付き規制が義務付けられる。21年4月からは非正規雇用で働く人の公正な待遇確保が適用される
▼慣例的な儀式や会議を減らすだけでも業務の負担は減る。今年は日本人の長時間労働を抜本から見直す一年になりそうだ。サザエさんを心から楽しめる社会が望ましい。