<金口木舌>10年後の地球のために


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 生ごみやペットボトルを入れるごみ袋。排水溝の掃除では使い捨ての手袋にもなる。「ガサガサ」という袋の音で赤ちゃんが泣きやむと聞き、実践したことも

▼プラスチック製レジ袋は買い物だけでなく日々の生活で活用している。便利で重宝するが、捨てることが前提の利用が多い
▼2017年に日本国内で排出されたプラスチックごみは約900万トン。レジ袋は数十万トンを占め、年間使用量は300億~500億枚という。プラスチックごみの不法投棄で一部が海に流出し、海洋生物が餌と間違えて飲み込むなど生態系への影響が深刻だ
▼国連環境計画などによると、127カ国がプラスチック製の袋を規制する。ケニアは禁錮刑か罰金を科す。タイでは、今月から大手スーパーなどがプラスチック製レジ袋を廃止した
▼日本では7月から全小売店にプラスチック製レジ袋の有料化が義務付けられる。県内のフランチャイズの書店や衣料品店などでは2019年から有料化が広がっている。4月からレジ袋の無料提供を終了する店舗もある
▼国連は「持続可能な開発目標(SDGs)」の2030年までの達成を目指す。買い物時のマイバッグ持参だけでなく家庭内でも不便を受け入れ、レジ袋の使用を控えたい。目標はプラスチックに頼らない生活だ。一人一人の小さな積み重ねが10年後の地球につながっている。