<金口木舌>畑に秋桜、それとも…


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 ヒカンザクラの開花は終盤。かわるように畑一面に咲くコスモスを見掛ける。別名は秋桜。県外では文字通り秋の開花が多く、語源の由来には花びらが桜に似ているとの説がある

▼新明解国語辞典(三省堂)には、秋桜は当て字とある。昭和世代には山口百恵さんの歌が浮かぶだろう。作詞・作曲はさだまさしさん。当初の曲名は「小春日和」だったとか。歌のヒットをきっかけに秋桜をコスモスと呼ぶことが広まったとの説も
▼緑肥にもなるコスモスは金武町伊芸で見頃だ。2カ月余り前、米軍が照明弾を誤って落下させた地点でもある。11日に訪れると家族連れが目立つ中、山側から「パラパラ」と乾いた音も響いた。訓練する米軍の射撃音だ
▼近くの米軍金武ブルービーチ訓練場では離島防衛を担う陸自の水陸機動団と米軍が13日まで共同訓練を実施した。水陸機動団の県内での訓練参加は初めて。白い砂浜に迷彩柄は不似合いだ
▼訓練直前の1月25日、米海軍MH60ヘリコプター1機が沖縄本島175キロ沖合で墜落した。陸自は共同訓練とは関係ないとの見解を示したが、墜落事故を「着水」と表現する権力側の言葉を真に受けていいものか
▼コスモスはギリシャ語が由来で、調和の意味もある。共同訓練は水陸機動団の県内配備への地ならしともみられる。かつて軍事色は私たちの生活をのみ込んだ。調和と相反する。