<金口木舌>気づかない支え

 子どもの頃、学校の授業を「1校時、2校時」と言っていた。意外にも一般的ではないそうだ。県外の方に聞くと「1時間目」「1時限目」と呼ぶという

▼校時を使うのは東北、中国地方、宮崎、鹿児島など。特定地域の学校のみで使われる「学校方言」である(神永曉著「さらに悩ましい国語辞典」)。地域限定だとは知らずに使われている言葉は「気づかない方言」とも呼ばれる
▼方言ではないが、専門用語の広がりで記憶に新しいのは去年のラグビーW杯だ。ボールを奪い取る「ジャッカル」、反則の「ノットリリース」といった用語の浸透ぶりは想像できなかった
▼W杯から約半年。多くの競技が観客なしで行われることになろうとは思いも寄らなかった。バスケットボールBリーグも無観客で再開した。「ファンを元気づけたい」とネット動画を無料配信している。観戦したが声援がないのはやはり寂しい
▼とはいえ、ボールがリングに当たり、コートにシューズがこすれる音が聞こえて新鮮だ。普段はかき消されている。プロ野球オープン戦のニュース映像では選手の掛け声が耳に入ってくる
▼大相撲も呼び出しの声がよく響くようだ。新たな楽しみ方を知るチャンスである。アスリートたちは声援の後押しの大きさに改めて気付かされたことだろう。近くにいられないからこそ、ファンとの絆が一層深まる期間になるといい。



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