<金口木舌>今ありて

 作家のC・W・ニコルさんが亡くなった。1975年7月に開幕した沖縄国際海洋博覧会でカナダ館の副館長を務めた経歴がある。その後も講演活動などで沖縄に足を運んだ

▼「海―その望ましい未来」をテーマに開かれた海洋博の翌年は、沖縄を訪れる観光客が大きく減った。新型コロナウイルスがもたらした観光客の減少幅は当時を上回る。豊かな海洋資源も目玉とする沖縄観光の危機だ
▼例年なら今の時期には甲子園で開催される選抜高校野球の優勝校が決まっている。今回は開催されなかった。春の地方大会は全国で唯一、県内では開幕し、4強が決まったものの、準決勝以降は中止となった
▼海洋博と同じ年の甲子園は沖縄にとって忘れられない大会だ。春は赤嶺賢勇投手を擁する豊見城が沖縄勢初の選抜8強入りを果たす。準々決勝で東海大相模に1―2で惜敗したものの、県勢の強さを印象づけた
▼夏の選手権はこの年から南九州予選がなくなり、沖縄大会の優勝校に出場枠が与えられることになった。初出場を果たした石川は2回戦で浜松商に5―6と、これも惜しい負け方だった
▼選手の奮闘が県民を奮い立たせてきた甲子園。今年、夏の大会はどうなるのか。谷村新司さんの歌う春の大会歌は「今ありて 未来も扉を開く」と歌う。困難に打ち勝った先にある未来。球児だけでなく、今多くの心に響く。



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