<金口木舌>マスクが外れた日と憲法

 韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店。昨年はトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が会談した場として注目された。韓国国境側からは観光ツアーで訪れることができ、当方も行ったことがある

▼韓国側の兵士はサングラスをかけて警備していた。ガイドによると、個人が特定されないほか、北朝鮮側の兵士と視線を合わさないためだという。にらんでいると相手に感じさせず、不要なトラブルを避ける狙いがある
▼コロナ禍の今、県内で人とすれ違う際、相手の目つきが気になる。ひもが切れてしまったマスクを手に歩いていると、冷たい視線を感じたのは思い込みだろうか。人々の口元から鼻までがマスクで隠れている分、余計に目を見てしまう
▼感染拡大防止のため、私権制限につながる政府の緊急事態宣言から約1カ月。命を守ることは当然だが、差別的な言動が目に付くようになった。沖縄弁護士会は1日の会長声明で、差別を防ごうと呼び掛けた
▼かつての国民総動員体制下では異論に「非国民」の言葉を浴びせた。やがて戦争に至り、その反省から国民主権と基本的人権、平和主義を掲げる日本国憲法が生まれた。きょうは憲法記念日
▼政府の権限を強化する緊急事態条項を含めた改憲案が浮上する。冷静な視線を保ちたい。マスクが外れた日、私たちの口元は緩んでいるのか、閉じたままだろうか。



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