<金口木舌>2千円札と首里城


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 ウオーキングをする際、以前は小銭を持った。現在は現金から、キャッシュレス決済ができるスマートフォンに持ち替えた

▼表面に首里城の守礼門が描かれた2千円札の発行から19日で20年。政府はミレニアム(2000年)とこの年の沖縄サミットに合わせて発行した。沖縄のPRにつなげようと多くのイベントも実施された
▼県内6金融機関は現金自動預払機(ATM)で2千円札を取り扱い、流通促進を図る。県内発行高はほぼ右肩上がり。首里城火災直後の毎月の流通増加額は例年より増えたが、コロナ禍後の5月から減少に転じた。キャッシュレスの逆風も吹く
▼2千円札をお土産に持ち帰った話は今も耳にする。オークションサイトにも出品されている。県外での認知度が依然低いのは残念だが、2千円札を活用し首里城再建の機運を高める動きもある
▼県内で活躍するタレントのひーぷー(真栄平仁)さんは再建に向けたチャリティーステッカーを企画販売した際、2千円札流通にも貢献しようと1枚2千円で販売した。3月、造成した100万円を県に寄付した
▼県内6金融機関も2千円札の県内流通量増加分の0・1%を寄付に充て最大1千万円を寄付する。21年までに100億円(500万枚)増を目指す。ATMで現金を引き出す際、「2千円札優先」を選んでみよう。指先一つで首里城再建に協力できる。