<金口木舌>差別の芽を摘む

 「親が基地従業員なのは皆知っている。子どもに偏見が及ばないか心配だ」。新型コロナウイルス感染症が米軍基地で急拡大する中、取材に応じた基地従業員が不安を口にしていた

▼実際にその後、県内の学校で基地従業員の子どもに登校の自粛を求める動きがあった。全駐労の與那覇栄蔵執行委員長は「基地従業員も命を守りながら業務に従事している」と理解を訴え、米軍に詳細な情報提供を求めた。基地従業員や家族らが病院で受診などを制限される事例もあった
▼スーパーの従業員など、生活に必要な仕事をするエッセンシャルワーカーは基地内にも多い。社会インフラを支えるため、休むことが難しいのは医療従事者と共通している
▼医療従事者や感染者に対する差別解消を目指す「シトラスリボンプロジェクト」が全国に広がっている。毎日新聞によると活動を始めた松山市の市民団体「ちょびっと19+」には、リボンの配布や商品化へ向けた問い合わせが相次いでいる
▼シトラスリボンのロゴマークは地域、家庭、職場(学校)を意味する三つの輪が絡み合う。元患者らが「安心してそれぞれの場所に戻れるように」との願いが込められている
▼感染リスクが高いからといって、エッセンシャルワーカーが職場を投げ出せば社会は回らない。必要なのは地域、家庭、職場で支え合い、差別の芽を摘むことだ。



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス