<金口木舌>「ゴートー」って何だ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「ゴートーって読むの? どういう意味ですか」。同僚記者が読者の問い合わせの電話に応じた。「GoToトラベル」事業の説明が伝わらず、同僚は四苦八苦したようだ

▼そもそも事業を手掛ける政府が迷走した。コロナウイルスを抑えながら経済を回す。前例のない帳尻合わせに自治体、観光業界も困惑した。「冷房と暖房の両方をかけること」とは小池百合子東京都知事が放った皮肉
▼沖縄の累計感染者数は1200人を超えた。人口10万人当たりの新規感染者数は全国一。何をするにも「自粛」の2文字が目にちらつく。「GoTo」と意気込んで沖縄に来た観光客は楽しめただろうか
▼今度は「ワーケーション」という。旅先で休暇を楽しみながらテレワークする新しい働き方として菅義偉官房長官が普及に取り組む考えを表明した。「GoTo」の需要喚起も意図しているらしい。国民の反応はいかに
▼「Withコロナ」とは言いたくないが、コロナ時代を生きる術が求められている。医療、経済、暮らし。考えなければならないことは多い。大前提は感染者を差別しないこと、分断を許さぬこと
▼「オンライン帰省」という言葉もよく聞く。今年の旧盆はオンラインのウンケーにウークイか。そんなことを言わずとも祖先とは心でつながっている。仏壇に手を合わせ、一緒にコロナ時代の沖縄を考えよう。