社会

<金口木舌>ボイコット

 久しぶりに目にした「ゼネスト」の表記だった。東欧のベラルーシで大統領選の不正に抗議する反体制派が呼び掛けた。票の入れ替えまでして独裁を続ける現職にはそれこそ全産業の団結が必要なのだろう

▼沖縄でもかつて米軍犯罪や日本復帰の在り方など、社会問題に対してゼネストが行われた。賃金や待遇といった労働争議ではなく、人権状況を問うた。自分たちの生活に直結する問題だったからだ
▼ストライキは集団で行うから、こちらはボイコットと言うのが正しいだろう。アスリートがその主戦場から自ら降りて訴えた。テニスの大坂なおみ選手の人種差別問題に抗議する棄権である
▼当初は賛否が分かれたようだ。本人は抗議にもひるまず反論し、ぶれなかった。ただ、スター選手とはいえ、一人での行動はどれだけ勇気のいることだっただろう
▼続いて開幕した全米オープンの会場には往年の名選手の名が冠せられている。性の問題や人種差別と戦ったビリー・ジーン・キングさんだ。キングさんが大坂選手の行動をたたえ、他の選手にも抗議の動きが広がっている
▼全米で大坂選手は被害者の名入りマスクを着ける。決勝までの7枚では被害者の数に足らないという米国の問題の深刻さである。大坂選手は日本語でも発信した。差別のない社会と言えるか。問われているのはかの地のことだけではない。



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