<金口木舌>程順則の教え


社会
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 久米村生まれの17世紀の政治家で、名護間切の総地頭を務めた程順則。琉球で初めての学校となる明倫堂を設立するなど、その高徳から「名護聖人」と呼ばれ尊敬されてきた

▼程順則の像が鎮座する名護博物館の近くに、古くから地域を見守ってきた神社「護佐喜宮」がある。初詣には名護市内外からの参拝者で長蛇の列ができる護佐喜宮の名前にあやかって活動するのは「ごさきの会」
▼護佐喜宮のすぐ下にある大中公民館。大中区の老人会「ごさきの会」(山入端擴会長)は6月、新型コロナウイルス感染拡大防止のため275枚のマスクを名護市社会福祉協議会に寄付した
▼「地域の方に呼び掛けたところ、手作りマスクなどを提供してくれた」。そう振り返る会員たちの活動は常に地域に根差している。名護小学校の下校時間に合わせて防犯パトロールを開始し、今年で15年目を迎える
▼新型コロナの影響で、県内各地で例年催されてきた豊年祭など伝統行事が中止を余儀なくされている。豊年祭の時期に開催されていた敬老会も多くの地域で中止になった
▼中国から程順則が持ち帰った教訓書「六諭衍義(りくゆえんぎ)」には、父母や目上の人を敬う心の大切さなどが説かれている。今日は敬老の日。敬老会はなくとも、地域の安全と発展に尽くしてきた先輩方に電話やラインなどで感謝の気持ちを伝えることはできる。