<金口木舌>猛暑の夏と省エネ


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 夏場の全国大会に出場する県内のスポーツ指導者を取材したときのこと。克服すべき課題を聞くと、返ってきた答えは「暑さ」だった。息が詰まりそうになる県外の気候は難敵だという

▼近年、夏場の気温が沖縄を上回る国内の地域が増えた。7月28日には北海道の複数地点で37度以上の猛暑日を記録した。このまま気温上昇が続けば、沖縄が避暑地になる可能性も指摘される
▼東京五輪に参加したロシアの選手は、あまりの暑さに「死ぬかもしれない」と訴えた。夏の日差しに慣れている沖縄県民でも警戒する気温だ。涼しい国の選手は耐えられないだろう
▼気温上昇の背景にあるのは地球温暖化。その原因となる温室効果ガスは、電気などエネルギーの消費活動に伴い発生する。冷房時にカーテンで日差しを遮る、食品は温かいまま冷蔵庫に入れないなど、ちょっとした工夫でエネルギー消費は抑えられる
▼風力や太陽光など再生可能エネルギーの導入も推奨されている。県内では波の力を使った発電の研究が進む。技術が実用化されれば、資源が乏しい島国などでの活用も期待される
▼1日は夏の省エネ総点検の日。温暖化は熱中症の増加や異常気象の発生という、生活を脅かすほどの問題を引き起こす。日々の行動を見つめ直し、省エネを推進して気温の上昇を抑止することは、命を守ることにもつながっていく。