<金口木舌>つかの間の光明


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 明けない夜はないと言われるが、やっと光が見えてきた。一時、800人を超えた新型コロナウイルスの新規感染者数は、2桁台で推移し大幅に抑えられてきている。約4カ月に及んだ緊急事態宣言も解けた

▼テレビのトーク番組では、一定の距離を保って出演者を配置し、共演者の間についたてを置いている。屋外のロケではマスクをするなど、感染予防をアピールする
▼娘が通う学校では、毎朝の検温が義務付けられ1年以上になる。検温シートに体温を記入し、親のサインも求められる。給食は「黙食」。静まりかえった給食時間は、少々味気ない
▼いずれの対策も感染予防に一定の効果はあろう。しかし感染しても発熱しない人もいる中、検温は有効だろうか。換気をしなければ、ついたてだけでは不十分という指摘もある
▼ドイツでは学校や保育所の全職員と子どもたちに週に2回、15分程度で結果が出る抗原検査を義務付けている。検査キットは無料配布といい、家庭で検査し結果を学校に報告する。検温よりも、はるかに確実性は高い
▼お金がかかる話であり、ただちに「日本もドイツのように」とはいくまい。ただ、ついたてや検温のほかにも、より効果的な感染対策の選択肢が学校ではあってもいい。冬には第6波が来ると予想されている。光明が差すのはつかの間。逃さぬように、対策を急ぎたい。