<金口木舌>早期発見が安心のお守り


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 SKE48の元メンバーでタレントの矢方美紀さんの著書「きっと大丈夫。私の乳がんダイアリー」は、病気の発見、手術、抗がん剤治療など病気と向き合った日々を率直につづる。早期発見の大切さを著書に込めた

▼矢方さんががんを患ったのは25歳。乳がんは女性のおよそ9人に1人がかかる。早期発見なら9割は治癒が期待できるといわれている。定期検診が何より大切だ
▼10月は乳がんの早期発見・治療を啓発するピンクリボン月間。ピンクリボン沖縄実行委員会は「おきなわそばも乳がん検診もソーキが大事!」を合言葉に、ポスター掲示やSNSを活用して検診を呼び掛けている
▼乳がんにかかるのは30~50代が多い。この世代は働き盛り、子育てや介護に追われる。わが身のケアは後回しにしがちだ。乳がんを患った知人は仕事が忙しかったため検診を先延ばしし、治療が遅れたことを悔やんでいた
▼以前、取材した乳腺外科医は、検診を受けない背景に経済的負担や無関心、自分は大丈夫という考え方などがあると指摘していた。「夫やパートナーが検診を受けるよう後押してほしい。検診に勝る薬はない」と強調した
▼ここ数年は生稲晃子さん、北斗晶さんら著名人の乳がん公表が相次ぎ、関心も高まっている。早く見つけ治療を受けるなら「きっと大丈夫」。矢方さんの言葉は背中を押してくれる。