<金口木舌>できることを模索する


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 北谷町立桑江中学校の体育祭で3年生がエイサーを踊った。町青年連合会の指導を受け、地域と共に作り上げた舞は力強かった。昨年、開かれる予定だった同校の創立40周年記念行事で披露されるはずだったが、新型コロナの感染拡大に伴い中止されていた

▼衣装や太鼓などの道具は保護者や卒業生、地域の人々から集まった寄付金でそろえた。休校期間を挟み、感染予防の制約がある中で練習を重ねた。踊り終えた生徒たちは「完璧ではなかったけど楽しかった」と笑顔を見せた
▼緊急事態宣言が解除され、学校行事も再開されている。時間を短縮し、保護者の参観を取りやめるなど試行錯誤を重ねる。教職員が生徒たちの学びの機会を確保するために奔走し、地域も見守っている
▼美里工業高校の生徒たちは足踏み式アルコール噴霧器を作り、沖縄市泡瀬郵便局に寄贈した。噴霧口が子どもの目の高さに近づかないよう構造を見直すなど、利用者の目線で改良を重ねた。実習で出た端材を再利用し、環境にも優しい
▼生徒らがロボット部で出場するはずだった大会はコロナ禍で中止された。放課後の時間を地域貢献に費やし、持続可能な開発目標(SDGs)について学習した
▼制約の中でできることを模索し、新たな学びにつなげる。「ウィズ・コロナ」の社会がどうあるべきか。子どもたちの奮闘にもヒントがある。