<金口木舌>理想的な部活動の形


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 以前に読んだ記事で、スポーツ指導者が部活動の大会を「無差別級の一発勝負」と表現していた。有力選手が集まる強豪校と一般の学校が同じ枠組みのトーナメントで戦う状況を指していた

▼無差別級なら格上の相手に挑戦できる面白さがある。番狂わせが起これば盛り上がる。ただ多くの場合、強豪校が有利だ。負けて悔し涙を流す選手を見ると、もう一度チャンスを与えたいと思う
▼高校野球でリーグ戦を導入する動きが全国的に広がる。沖縄でも始まっている。独自ルールを採用して選手の育成に主眼を置く。リーグなら負けても次戦で挽回でき、多くの選手に活躍のチャンスが巡ってくる
▼大会がトーナメントだけだと一度も勝利できず卒業する選手も出てくるはずだ。多様な試合の形式を導入できれば、スポーツの楽しさや喜びを味わう機会は増える
▼部活動の主役は子どもたちで、練習や試合を通じて成長する。そのために一発勝負以外の選択肢があってもいい。より良い環境づくりのため、子どもたちの目線に立つことが第一歩になる。