<金口木舌>息の長い「ゆるキャラ」に


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 沖縄市の胡屋十字路に二つの像がある。市のエイサーキャラクター「エイ坊」「サーちゃん」だ。毎夏、道ジュネーで熱気を帯びる「エイサーのまち」を象徴する。コロナ禍の昨年はマスク姿にもなった

▼ここ10年ほどのブームに乗り、多くの「ゆるキャラ」が生み出された。読谷村の「よみとん」や北谷町の「ちーたん」など中部でも人気キャラは多い。一方で見かけなくなるキャラもある
▼沖縄市の銀天街で生まれた天ぷらの「ぷーらくん」はSNSで人気を得たほか、おきなわマラソンも完走した。だが7年前の振興組合の解散などで活躍の場がなくなっていた
▼コザ十字路通り会と市照屋のカフェが協力し「てんぷらの妖精ぷ~らくん」グッズを制作した。近隣の子どもたちが店に集まり、人気が再燃している
▼昨年終了した「ゆるキャラグランプリ」は選挙戦が過熱し組織票が問題視された。キャラが注目されるだけでは関心が薄れるのも早い。地域に根ざす人々が地元の魅力を見つめることが、キャラの息の長い活動にもつながるはずだ。