<金口木舌>木のぬくもりを未来に


社会
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 娘が生後間もない頃、木製のおもちゃを多く渡していた。何でも口に入れるのが赤ちゃんの特徴だ。自然の素材を使ったものなら安心と考えていた

▼木について学び、良さを体感することを「木育」と呼ぶ。木材と触れ合い、工作教室などで特性を学びながら、地球環境に配慮した行動につなげることを目指す。県内でも木育の取り組みが行われる
▼鉄筋コンクリート住宅が主流だった沖縄でも最近、木造住宅が増えた。台風や湿気など沖縄特有の気候に耐えられる品質で、木のぬくもりを感じる快適な住空間が人気のようだ
▼京都大と住友林業は、世界初の木造の人工衛星を打ち上げる計画を進める。運用後は大気圏で燃え尽きるため環境負荷が少なく、宇宙を漂うごみの削減も期待される
▼おもちゃから住宅、人工衛星まで木は幅広い場所で活躍する。県内には樹齢が100年を超えるガジュマルも残り、そこに住むキジムナーの民話を耳にする。木は私たちの暮らしや文化に深く根付く。森林の大切さを感じながら、未来へ引き継いでいきたい。