<金口木舌>グスク時代の顔は?


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 褐色の肌に黒い瞳の小柄な女性は「イギリス人」。米科学写真雑誌ナショナルジオグラフィックの2019年1月の日本版サイトが復元された古代のイングランド人の顔を紹介している

▼頭骨から3Dプリンターで立体模型を作成。彫刻家でもある考古学者が出身地や性別、死亡時の推定年齢などの情報から昔の英国人をよみがえらせた
▼昔の沖縄人はどういう顔だったのか。今帰仁村の自然洞窟からグスク時代(11世紀末~15世紀)のものとみられる人骨が26体見つかっていた。発見場所は源為朝の上陸伝説のある運天港とそう離れていない
▼女性の人骨には、同時代に本土でも見られていた歯槽性突顎(出っ歯)の特徴も。「ただの伝説だと思っていたが、本土からの渡来を含めてグスク時代の人の流れが分かるかもしれない」。今帰仁村歴史文化センターの玉城靖館長は期待を寄せる
▼当時の平均身長より5センチほど高く、大柄で潜水作業の跡もみられるという人たちは一体どこから来て、どんな顔だったのか。グスク時代の人たちの姿に想像が膨らむ。