<金口木舌>ミラクルシティに必要なのは


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 CMでは浦島太郎、ドラマでは能楽師、刑事などさまざまな役を演じてきた俳優の桐谷健太さんが今回挑んだのは、1970年代沖縄のロックンローラー。コザを舞台にした映画「ミラクルシティコザ」が公開中だ

▼基地に隣接し、米兵相手の商売が盛んだったコザは独特の街並み、風景が残る。映画などのロケでよく使われ、「映画による街おこし」の好事例だが、それは街の歴史や風景だけが要因ではない
▼「ここは人間交差点」。胡屋バス停前にある小さな映画館「シアタードーナツ」の宮島真一代表は話す。カフェでもある映画館にはいろんな人がふらりと入ってくる。映画と人だけでなく、人と人、地域をつなげる役割も果たしている
▼今では「スタートアップの街」として、挑戦したい人たちが集まるコザ。住んでいる人が楽しそう。面白い人が集まっている。それが磁石となり人がまた集まる
▼大きな商業施設を造っても、便利な道を造っても、そこに「人」が見えなければ魅力的な街にはならない。それをコザの街と人が教えてくれる。