<金口木舌>不断の点検で良い「遺産」残せ


社会
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 日本語で「遺産」を意味する「レガシー」。庶民の当方にはなじみの薄い言葉だが、「時代遅れの」という意味で使われることも多い。企業のリスクとなる「レガシーシステム」もその一つ

▼社内システムが複雑化、ブラックボックス化し、本格的なデジタル化への障壁となることを指す。経産省の報告では、障害の多発により2025年以降に最大で年12兆円の経済損失が発生するリスクも指摘された
▼システムを理解できる社員が退職していたり、場当たり的な改変により複雑化していたりと、多くの企業で課題となっている。社内IT部門と事業部門、経営者の対話不足などが原因にあるという
▼IT技術者によると、万全な対策をしていない限り、大なり小なり問題を抱えている企業が多いという。自社は大丈夫と思うより、ウチアタイして危機感を覚える方が健全と言えるだろう
▼理解不足による旧態温存と考えると、社会全体にも同様の構造があるかもしれない。次世代に良質な「遺産」を残すためにも、不断に点検していくことが必要だ。