<金口木舌>暗黒時代の中の光


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 「不安の中で大会に臨んだ。うまく書けたのか分からないぐらい緊張した」。手本を見ずに書道に取り組む第82回山日YBS席書き大会で「創業150周年記念賞」に選ばれた沖縄国際大学2年の浦崎はるなさんが話していた

▼コロナ禍で文化系の部活動も制約を受けた。書道部で指導を受けてきた教師と一緒に練習ができず、大会運営も従来とは違っていた。その中で1万人を超える参加者から上位30人余に贈られる特別推薦賞に輝いた
▼同大会沖縄地区実行委員長の新垣桂風さんも「書く者にとって暗黒の時代」と話す。展示会が軒並み中止となる中、新垣さんは企業が運営するネット上の「バーチャル美術館」で作品を発表。オンラインに活路を求めた
▼まん延防止等重点措置の解除から1カ月余。解除前に比べれば社会の制約は緩くなったが感染者数は減らない
▼今年から再開する大会や催事も増えるはずだが感染対策の重要性は変わらない。勝手が違う中でも実力を発揮し、追究する道を前進する人がいる。前向きな姿勢に学ぶことは多い。