<金口木舌>未来へ紡ぐプレーボール


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 今年は日本に野球が伝わってから150年。来日した米国人教師ホーレス・ウィルソン氏が1872年に「第一大学区第一番中学」(現・東京大学)で生徒へ英語や数学を指導しながら、野球も教えたのが始まりとされる

▼沖縄に野球が伝わったのは、その22年後。94年、沖縄中学(後の一中、現・首里高)の生徒が修学旅行で訪れた三高(現・京都大学)で野球を知って体験し、おみやげとして沖縄へ持ち帰ったボールやバットで野球をプレーした
▼戦前に各地へ広がった野球だが、太平洋戦争で多くの選手も動員され、犠牲になった。戦後は生活が復興する中で野球も復活して人気が高まり、沖縄でも広く定着した
▼日本野球機構(NPB)の今季のスローガンは「野球伝来150年 未来へ紡ぐ みんなの希望」。25日に開幕したプロ野球の各球場で歴史を振り返る映像が紹介される
▼戦争の苦難を乗り越え、受け継がれてきた野球。県出身選手の活躍にも注目しつつ、平和だからこそプレーも観戦も楽しめることをかみしめ、未来へ紡ぎたい。