<金口木舌>沖縄版「ドキドキドン!一年生」を作るなら


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 17日の福岡を皮切りに全国各地で桜が咲き始めている。今年は平年より早い開花だという。画面越しでも薄桃色の花を見ると春を感じる。そしてある曲を思い出す

▼「さーくら咲いたら1年生 ひとりで行けるかな」で始まる「ドキドキドン!一年生」だ。新しい世界に飛び込む期待と不安でいっぱいの子どもたちに「どんと行け」とエールを送る内容で、長年歌い継がれている
▼沖縄の子どもの中には「桜はずっと前に咲いて、もう散ったよ」と思った子もいるだろう。鋭い。県外の桜、ソメイヨシノが3月下旬に咲き始めるのに対し、沖縄の桜、ヒカンザクラの開花は毎年1月。3~4月のこの時期は葉桜になり、実を付け始めている
▼では沖縄版「ドキドキドン!一年生」を作るとしたら、冒頭は何の花になるだろう。鮮やかな黄色のイペーか、青緑のシャンデリアのようなヒスイカズラか
▼その土地の自然はそこで生活する人々の暮らしや考え方、表現にも影響する。外に出て身近な自然を感じよう。その豊かさを子どもたちに伝えていこう。