<金口木舌>愛郷心と博愛の人

 「しみとーけー(させておけ)」。にっこりと笑った後、「彼らにも表現の自由がある」と街宣車から響く「売国奴」の批判にも基本的人権を守る大切さを説いた

▼2013年5月。照屋寛徳さんは衆院議員会館前であった保守系団体の集会の大音量を自室で聞いた。「中国の沖縄侵略に加担している」との罵声が響いていた
▼沖縄の独立論を「育成すべきだ」と歓迎した中国紙に、照屋さんが同調したかのように日本の一部メディアが報じた。「沖縄独立論=親中国」という不可解な図式に当てはめられた
▼真意を尋ねた当方に対し、照屋さんは「長年沖縄を差別してきた日本政府に対し、県民から独立の声が出るのも仕方ない」と一言。その上で「僕がいつ沖縄が中国に所属すべきと言ったの?」とあきれたような表情を浮かべた
▼事務所の壁に、沖縄大学学長を務めた新屋敷幸繁さんが作詞した「尖閣諸島わったーもん」の歌詞が張られていた。沖縄を深く愛し、罵詈(ばり)雑言を浴びせる人たちの人権も尊重した。愛郷心と博愛にあふれる人だった。



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