<金口木舌>沖縄戦の後も続く女性への性暴力


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 沖縄戦の後も住民の過酷な体験は終わらなかった。「米兵に引っ張って行かれそうになった」「レイプされている人を見たが何もできなかった」。占領期の沖縄では米兵による性暴力が多発した

▼「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」がまとめた「沖縄・米兵による女性への性犯罪」(1945~2016年)によると暴行や殺人、放火などの犯罪は46年だけで439件、47年は242件に上る。事件事故は日本復帰後も後を絶たない
▼95年、米兵による少女乱暴事件を契機に開設された民間の「強姦救援センター・沖縄REICO(レイコ)」の初日、ある1本の電話が来たと高里鈴代さんは話す
▼電話の女性は、過去にレンタルビデオを返しに行こうと、駐車場に止めた車に侵入してきた米兵に乱暴されたと話した。被害を訴えることができず、「訴え出ていれば駐車場での次の被害を防げたのでは」と苦しんでいた
▼過重な基地負担ゆえに繰り返される性暴力。悲しい、悔しい、もう二度と―。無数の叫びがこだまする復帰50年でもある。