<金口木舌>歴史を詠む

 歌人の當間實光さん(78)が詠んだ対照的な2首の短歌がある。一つは「日の丸も君が代もなく終りたり年賀式のしらじらしさよ校門を出る」。1960年代の那覇高校生の時に詠み、高校文芸誌に掲載された

▼もう一つは「沖縄を供物となして見捨ている大和を吾は祖国と呼ばず」。2012年刊行の第1歌集「大嶺崎」に掲載された
▼高校時代の作品は、米軍関連の事件・事故など不条理が続く中、平和憲法を持つ日本への復帰を望む気持ちが表れた。一方、後者は今も過重な基地負担を押しつける現状に日本を「祖国」とは呼べないとした。復帰に求めた理想と、それが幻想だったことへの批判が出た
▼15日に開催された県と政府の「沖縄復帰50周年記念式典」。岸田首相は振興策による貢献を強調しつつ、基地負担を軽減することにも言及したが、中身はどうか
▼復帰50年を経て、今後の沖縄を担う世代へ當間さんは「歴史から学び、自分たちの未来へ生かしてほしい」とメッセージを送る。世相を表す文学作品からも歴史を学び、沖縄の未来を考えたい。



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